チリのマプチェ族の女性職人が、チリ館で「マクン」の編み方を実演します。チリは大阪万博で、科学、芸術、外交分野における女性のリーダーシップを紹介し、ジェンダーの視点から国際協力を推進する代表団を派遣します。
マプチェ族の女性織工4名が制作した「マクン: チリのマント」を制作した4人の織工たちが、大阪万博2025のチリ館に初めて登場します。これは「チリ:女性の国」週間の一環として、チリのジェンダー平等への取り組みと、国家発展のあらゆる分野におけるチリ人女性の物語、功績、貢献の可視化と発信を目的としています。
参加者は、アグロパシオン・ワロントゥ・ウィトラルのルイーサ・サンドバル氏、ペウマエン職人委員会のノルマ・ミラチェ氏、ウィトラルトゥ・マプ協同組合のクラウディア・シルバ氏、アグロパシオン・インディヘナ・ワロントゥ・ウィトラルのアナ・パイヤミール氏です。
9月2日(火)11時から12時30分まで、一般公開の会場で、4人の工芸家たちが、工芸の分野での経験と、242平方メートルのマントの制作に至った共同作業について語ります。
さらに、同日(15:00)および9月4日(木)11:00には、大阪万博2025来場者を対象とした工芸ワークショップが開催され、マプチェ族の織物技術について学ぶことができます(定員制)。
9月3日(水)15時から17時には、アニタ・パイヤミルとウォロントゥ・ウィトラル集団が開発した伝統工芸コレクション「ルーツから」が展示されます。ここでは、マプチェ族の伝統的な織物12点が展示され、これらは「カロライナ・ヘレラ・フォー・ウーマン・イン・アーツ」プログラムの一部です。
ポールリーナ・ナザル、大阪万博2025チリ館コミッショナー:「『チリ:女性の国』週間は、女性の才能、革新性、リーダーシップという観点からこの国を見つめる機会です。私たちのパビリオンを覆うマントに命を吹き込んだマプチェ族の織り手から、科学者、テクノロジー分野の才能ある若者、起業家、そしてそれぞれの地域を変革しているアーティストまで、このプログラムは多様で創造的、そしてジェンダー平等に深くコミットしたイメージを世界に発信することを目指しています」。
工芸家たちには、チリの著名な女性代表団が同行します。そのメンバーは、クラウディア・サンウエサ国際経済関係次官、マリア・テレサ・サルディアス・チリイメージ財団所長、カルメン・ガルシア・プラジオ財団所長です。また、STEM活動家のエリサ・トレス氏、タラパカ出身の起業家マグダ・イセル・パラダ氏、南極研究者のクラウディア・マトゥラーナ・ボバディージャ氏も代表団の一員です。
「チリ:女性の国」の活動
今週の主要イベントの一つとして、9月4日午前12時30分から午後2時まで、大阪万博の女性パビリオンにて「障壁を打ち破り、未来を築く:女性のリーダーシップとジェンダー平等、グローバルな視点とチリの経験」と題するセミナーが開催されます。基調講演は国際経済関係次官クラウディア・サンウエサ氏が担当し、J-Winの奥谷恭子氏をパネリストに迎えたパネルディスカッションが行われます。
今週の活動では、パビリオンのスクリーンで、チリイメージ財団によるキャンペーンを基にした常設の映像展示「チリ、女性の国」が上映されます。
さらに、以下のイベントも開催されます。
• エンマ・マダリアガ(Emma Madariaga)の参加。彼女は、神聖な歌とギターロン(guitarrón)の演奏を行う歌手であり、土曜日11:00にチリパビリオンで3人の三味線奏者との音楽交流を行います。マダリアガは、9月5日(金)と6日(土)17:00にもポップアップ・ウェスト(Pop Up West)で演奏を行います。
• 「チリ館女性アートギャラリー」展示。万博参加パビリオンに対し、女性アーティストの作品を映像で共有するよう呼びかけます。
• チリ科学省が作成した日本語版情報冊子「インスピレーシオン(Inspiradoras)」を来場者に配布。
• また、「サンティアゴを100語で」から厳選した20編の短編小説を日本語に翻訳し、キュレーターによる解説文を添えて展示します。
• パビリオンでは、マリア・ラ・ビユックスなど、官民のさまざまな国内イニシアチブによって推進されている具体的な取り組みを紹介します。
• パビリオン内の常設バーでは、女性が経営するワイナリーのワインを提供します。
「チリ:女性の国」に関するデータ
• 2023年以降、チリはラテンアメリカで初めてフェミニスト外交政策を採用した国となり、この政策がチリの国際的な行動や提携の指針となっています。
• 20年足らずで、チリはグローバル・ジェンダー・ギャップ報告書における順位を78位から22位に上げ、現在ではラテンアメリカで4番目にジェンダー平等が進んだ国となっています。
• チリ政府の各省庁における女性の割合は世界第6位であり、科学、天文学、鉱業、農業、エネルギー、金融分野における女性の参加の増加は、チリが境界を広げ、固定観念を打ち破っていることを示しています。